インナー×ローの旅

「 なんだか坂を登りたい 」
ナンタラとナントヤラとhikime2は高い所がお好きなのか。そんな稀有な気分に答えるつもりでコース設定して早朝8時に出発。長い道中に発生したトピックスを挙げとこう。


■まずは阪奈道路東大寺まで走り・・・偶然一緒になったローディーに『 hikime2さん? 』って言われる。朝からなんや?そんなに有名人やったの? ヘリポートへの登り、急な区間でパスしてお別れ。


■R369途中のローソンにて最初&最後のコンビニ休憩。ここから100kmほどコンビニは存在しないやろう。ゴミ箱の片付けをしていたお兄ちゃんから『 いい身体されてますねー 』って言ってもらって鼻の穴パコパコ。その後の走りに力がこもるぜ(下り限定)。


室生寺の長い登り、快調に登りつつふと脇を見ると草陰に鹿さんの死体が!? 先週、軽やかに山肌を駆けるお姿を拝見したばかりだというのに。「 目の前に鹿が倒れている 」という、奈良県人には恐怖のシチュエーション。そそくさと走り去った。


■ひたすら南下。東吉野村に入り名も無き峠を越えた所で、滝があると書いてあるのでちょいと寄り道。
 投石ノ滝
人影は全く無く、流麗な滝の流れに見惚れた。と思ったら、老夫婦が土下座をするようになにやら祈りを捧げてはった。邪魔にならんよう、そそくさと退却。


■木津(コツ)を過ぎ、高見川沿いで自販機休憩。日本一高価なバヤリースを発見・・・。



■さて、丹生川上神社まで辿り着いたところで、いよいよ本日のメインイベント開始。標高300mからとりあえずの1本目は1000m弱まで一気にクライミング
と書けばきこえはええけど、登り始めて速攻でスプロケはインナー×ローへ。23Tはエマージェンシー用と心掛けとったけれども、東吉野村では常に非常事態なのか。
30分ほど苦しみながらも約700mの標高差をこなし峠の頂上へ。眺望ゼロでトホホ。待ち構えてはった社に挨拶して引き返し、坂を下る。


大きな地図で見る
道が載ってへん・・・


■ここらで既に13時。焦る気持ちを隠しつつ2本目。平成の水百選という、美味そうなのかどうか微妙なチョイスをされたを通り過ぎ、勾配がぐんぐん増加。約730mでダート区間のため進めなくなった時は、正直ほっとした。
1本目もそうやったけれど、2本目は路面がさらに荒れとって辛さも増加。下りの濡れた苔が生えた区間、フロントがつるっと行きかけて冷や汗が2リットルほど噴き出したで。


■3本目、400m付近から一気に1300mを目指す。急勾配なのか脚がヘタっているのか分からんけれど、辛さは確実に上昇中、路面の荒れも増加中。相変わらずスプロケはインナー固定で、非常が定常になってきた。狼少年の周辺の気分ってこんなもんなのか。時折ダンシングを交えつつ、というよりダンシングしないと登れない坂に悪態をつきつつ進む、進む。
標高850mでいきなし「 工事中、通行止め 」の看板に遭遇。この超田舎激坂道路におけるトラックとユンボの存在、誰のための工事なのか分からん。強行突破。


地図の予習によると、頂上付近の尾根からは付近の山々が一望できるはず。そして山頂は近辺で最も高い場所。「 おぉ、其処に控えるは標高○○mの××岳かね。もう少し高さの精進をしたまへっへっへ 」 なんて偉そうな語らいを切望しつつ頂上を目指す。道は松の枯葉と小石がタンマリ。ふと横を見ると、何トンあるか予想もつかない巨石が転落ぎりぎりの状態で鎮座してはった。落石注意の看板もあちこちにあり。注意というよりは落石覚悟、落石ゴメンといった方が実体に合っとるな。


にしても辛い。ここらへん、辛いしか記憶に無し。


長い時間が過ぎ、1100mに達したころに勾配は手加減を始めてくれた。ここが待ちわびた尾根道なのか。気温は肌寒いほど。吹く風の匂いは高原のそれ。ついと目の前の路面に鳥が落ちてきて(!)、バタバタしてはる。怪我してるんかな?と思ったけれど、よく見れば飛ぶ練習中の稚鳥みたい。わしの姿に気付き、焦っては2mほど飛んで落ち、を繰り返してはった。人が全く通らないせいか鳥の天国っぽい所やな。
但し眺望はゼロ。。そして1200mに門。



気にせず横からパスしたけど、道は遠慮なく石ころ満載のダートに・・・。どうするわし? ここまできて引き返すのもシャクやけれど、こんな所でパンクしたら精神的ダメージは計り知れなさそう。かなり悩んだものの、このロードバイクを購入した後に語りかけた言葉をふと思い出した。あの時の約束(?)、今こそ果たすべし。TCSをめいいっぱい働かせて漕ぐ。インナーローが異様に重い。
最後の標高100mは特に時間がかかったけれど、とうとう頂点へ。そうそう、この山の名前は「 ジョウブツ山 」。辿り着いたことを喜んでいいものやら微妙な名前やけれども、とにかく嬉しい。これで眺望ゼロでなければもっと嬉しかったのに・・・(泣)



NTTの無線局がドカンと立っていた。


ブレーキを握り締めつつ下山し、遅い昼飯をとったところで16時を経過。未だ自宅から何キロ離れとるか不明な山奥にいるため、日没タイムアウトがとんでもなく心配になってきた。予定では木津まで引き返し針近辺を通過する山岳ルートを帰路と考えとったけれど、止む無くR166を目指しかっ飛ばす。かっ飛ばすといっても既に脚は売り切れ、平坦無風で35km/hが出せへんレベル。幸いにも平坦路など存在せず(…登りばっかし)向かい風が吹き荒れ、言い訳満載な条件が勢ぞろい。吉野の神様、気が利いてるわ(泣)


んなもんで、なんとか奈良盆地の桜井に降り、あとはホンマモンの平坦路をヘコヘコと。風は止むことが無かったけれど、タレタレになる前になんとかZONE到着。乾杯するビールの美味さといったら、それはもう。
しばらく坂は登りたくない。そんな週末やった。




唯一見えた景色。



205.6kmのアベ22.6km/h。