日本のてっぺん

さてさて、日曜日の朝。
R163〜名阪国道から東名阪に乗り、伊勢湾岸・東名高速をひたすら東に走る。途中、余りの暑さにカーエアコンのスイッチをon。
富士川付近でお山をどどんを目の当たりにする予定やったけど、霞んでいてかけらも見えず。ほんまにあるんか?


裾野ICで降り、山中湖北東にある「石割の湯」に浸かって昼夜兼用の食事を取った後、いざ五合目へ。相変わらず山容をうかがえないどころか、雨がポツリ。んー、不安だ。
急斜面のふじあざみラインを2速で上りきると、そこはもう標高2000m。ちょろっと山小屋散策をした後、そそくさと布団の中へ。おやすみなさーい。


んが、凄まじい雨音と雷鳴・雷光で寝られん。明日はどうなるやら・・・。








ほとんど寝た気がしなくとも一応気は失っていたようで、月曜早朝1時半のアラームに飛び起きる。天気はどうや? 雨は止んでいる。
車外に出ると、奇しくも満月の晩。煌々とした月の光に照らされながら見上げると、グレーの夜空をバックに真っ黒い巨大な山体が浮かび上がっている。途中に輝く明かりは山小屋のそれか。晴れてる!!


早速、着替えて歩き出す。時刻は2時半。
ウェアは半そでTシャツ+UVアームカバーの上に、長袖Tシャツ。でも樹林帯の中は蒸し暑くて、アームカバーは一瞬でお役御免。他の人らも『 暑いですねー 』と立ち止まり、そそくさと軽装に変身してはった。
ちなみに自分ら以外には前後に1〜2パーティーが見えるのみ。人の少ないコース・時間を選択した効果有りだな。




6合目到着が4時15分。本6合目には4時半。標高2750m。
ようやく樹林帯を抜けつつあり、振り返ると雲海が僅かに見える。見えるってこたぁ、明るくなってきた証拠。


山頂が近く見えるのは、めいいっぱい気のせい。





山登りの必需品とされるヘッドライトやけど、わざわざ買わんとSG-305をザックの肩口にくくりつけることとした。照らしたい場所の調整には身体ごと向きを変えなあかんけど、明るさは段違いで良かった。なんとか頭に固定することを検討したい。



夜明けは4時48分。7合目ちょい下の標高2850mにて迎えた。約2分間のショータイム。

下に見えるは山中湖。




それからも僅かに休憩を取りつつ、ひたすらテクテクを繰り返す。途中、寒くなってきて冬用バイクジャージを1枚羽織った。


標高2920mの7合目、5時ちょうど。


見晴館は3200mの本7合目、5時50分。

北方、富士吉田方面。


8合目からは吉田口への下山中らしき団体と擦れ違い。人が多くてうんざりするけど、これでも月曜日で相当マシなはず。6時25分にて3370m。


3410m、6時半。

場所は同上。山頂が近付いてきたどー。


8号5勺の御来光館は3450m、6時37分。


眺めが凄いな。


3480m、6時43分。真っ赤な滑り台があった。何処まで滑れるかは考えん方が身のため…。




このあたりまで登ると、空気の薄さを実感できる。少し動くだけで心臓がばくばく働いてはる。道端には座り込んでる人も多数。
でもご安心。クロカン系人間にならばこの状態は心地良いはず。登りのトレーニング中に感じる、心臓はレッドゾーンやけれどまだまだ行くぜっちゅう、絶好調な状態に似ているのやわ。
んなもんでダブルストックを武器に「皆様おどきなさい」状態。足下が砂でふかふかしており歩きにくいのやけど、トラクションに気遣いながらのパワークライミングなんたぁ、MTBerにはお家芸なんだなぁ。




9合目は6時55分。

遊んでんと、はよ来い。



7時15分、火口に到着。休憩時間込みで4時間45分ってとこか。

実にめでたいので記念撮影。・・・心霊写真?


山口屋前から見下ろした山小屋群。白いのは粒々状の残雪だぁな。






さて、こっからは六根清浄お鉢巡り。
とりあえず寒いのでフリースを1枚追加。気温は約9度、風はほんの少々。


火口の万年雪、奥は剣ヶ峰。


南アルプス、いろいろ。


愛しの八ヶ岳があんな所に。


もちょっとで到着。




さぁて、ようやく剣ヶ峰。


どっかで見たことあるなぁと思ったら、偶然にも超有名人がすぐ前にいはった。せわしなく落ち着き無く喋る人やって、なるたけ近寄らんようにした…。


ここには展望台がこしらえてあって、足下が不安になるような絶景。てっぺんじゃー。


とノンビリしていたら、いつの間にやら東側に巨大な入道雲。まだ朝の9時やってのに。

ちょっと焦りつつ、富士宮口・御殿場口の頂上を通って9時40分に下山開始。


上部はクネクネと砂地を。

汗で靴下の滑りが悪くなり、豆ができかけ。途中何度か、靴を脱いで空冷して誤魔化す。下りで一気に足にきたな。


平日の午前中に荷揚げするブル。

これは小さいのやけど、大きいのになるとほとんど道幅いっぱい。しかも運転手は荷物で前方視界ゼロ。


7合目からは砂走。確かに足への負担はましやけど、楽かと言われるととても…。

それよりも、このあたりで2人とも高山病の頭痛に悩まされる。一歩一歩の振動が頭に伝わって辛い。
格闘すること3時間弱の12時25分。へろへろになりながらも、ようやく砂払5合目に到着。ん? まだ5合目ではないの?


樹林帯を歩くことさらに30分。『 5合目まで20分 』の看板に逆恨みを抱きつつ、13時20分になんとか駐車場到着。疲れた!




ふと振り返ると山容は再び雲に隠れ、その姿は影も形も無し。結局、山を山として見られたのは真夜中のみ。温泉に浸かって眺めながらしみじみ今回の山行を振り返りたかったんやけどなぁ。歩いている最中、晴れていたのが嘘みたい。


高山病については、登りの最中及びお鉢巡りの最中には何も無し。下る途中で頭痛発生。嫁はんはかなり気分も悪くなり、それは下山後に風呂へ入るまで継続した。標高を下げれば直ぐ治るって情報があったけど、人によるのかもしれん。


っと苦しいこともあったけど、天候には恵まれた。体力的にも問題無し。高山病は登る最中には皆無。もちろん剣ヶ峰に到達し、自分の定義とした「登頂」もクリア。
ってんで、全体的に見れば大成功な富士登山やったなぁ。満足、満足。
でも2度目は少なくとも10年先か・・・。