御嶽へ

行って来たのは霊峰として名高い御嶽山。わしにとっても冬にはスキー・過去には麓のレースでお世話になり、繋がりのある山でもある。
ってのと、なぜか奈良市にある御嶽教の本部ってのが、実家の近く。これはもう登って拝むしかないじゃないですのん。







日曜日の朝6時。6合目にある駐車場を出て、黒沢口から登り開始。すぐに「 中の湯 」の横を通り過ぎる。営業は8月いっぱいで終わりってのが残念じゃ。


道は延々と木の階段が続く。歩きやすいような、歩きにくいような・・・。



7合目。


なんだこりゃ。


歩きにくいな。


下界が見えん。




8合目の女人堂。





さすが霊峰。あちこちに石碑やお地蔵さん(?)が建てられていて、信者とその手のマニア(?)にとっちゃぁ垂涎の場所っぽいぞ。
但し、人影はほっとんど皆無。稀に擦れ違うパーティーは、誰もが異口同音に『 強風暴風ご注意あれ。シートでも広げた日にゃぁ、山麓はおろか遠く太平洋はポリネシアあたりまで飛ばされちまうぜぃ 』。
ふっ飛ばされを恐れる気持ちと南国リゾートに恋焦がれる気持ちを抑えつつ、前へ前へ上へ上へ。


更に歩きにくい。




8合目を過ぎしばらくした所が森林限界。風を遮ってくれていた木々はなくなり、這松(かな?)だらけ。




9合目の石室山荘に到着。視界が悪いぞー。


岩だらけになってきた。


見守ってくれてるのか、睨みを効かせられてるのか。







9合目からちょいで砂礫だけになってきた。
ガスが強烈に吹き付けてきて、わしの短い髪の毛はトゲトゲに。こりゃイカンってことで慌ててレインコートを着込む。身体を冷やすとマズイぞぉ。と深刻に考えてるのはワシだけで、初着用を熱望していた嫁はんは妙に嬉しそう。
飛ばされそうなんですけど・・・。



あなたは寒くないのですか? えっ?楽勝? 失礼しました。




やばいのは風だけじゃなくて視界も。眼鏡が水滴だらけになってしまって、足元の小石すらよく見えなくなってもうたのだ。こりゃイカン。
ってなことで、小学2年生以来かけ続けている眼鏡を取り外し、裸眼のままで歩を進める。視力0.1も無い役立たず眼球やけど、コッチの方が10倍まし。ってか、むっちゃ新鮮な視界。





そっから先は短かった。ふいに視界に現れた山小屋はもう、頂上のそれ。最後の難関と恐れられている石段を踏破して、てっぺんへ。急に風が止むあたりは、わしら聖人君子を称えるかのよう。




互いにカメラを持ち記念撮影。しかし、この違いはいったい?
 




ほんの一瞬ガスが晴れ、絶景が広がる。




日本最高所にある二の池。隣に見えるは二の池本館




雲下には過去さんざん苦しんだoh滝のコースが。




おにぎりを食べ腹を膨らませた後、下山へ。
下山前に二の池に立ち寄り。万年雪発見!


なに脱いでるん?

レインコートか。そうかそうか。




さて、こっからは当然ながら延々と下り。延々々々々々々々々と下り・・・。
いつしか脚の上がる高さが低くなり、石につまづいたりよろめいたり。つるっと靴を滑らせ、フォローできずにしりもちついたり。
そうなるとこの木の階段が余計に辛い。立ち止まると膝の震えを押さえることがでけん。

富士山では16km歩いて1700mを上がって下がったけど、翌日も身体は快調そのもの。しかし今回は10kmの1200mで、ふくらはぎに強烈な筋肉痛を残してくれた。やはり信仰のお山は何かあるのだ。
ふらっふらになり、首がカックリ前に傾ききった所で6合目の駐車場に到着。ふぅぅぅ。なんか悔しいぞ。
今度は視界の開けた時に登りたいな。











最後に今回の山行でもっとも感動した景色を書いとこう。


前日の夜に辿り着いた駐車場から見た「 宇宙 」。
星空なんて生易しいもんとはちゃうよ。稜線のすぐ上から反対側の木々のすぐ上まで、プラネタリウムなんざぁ比較にならへん数々の星達。自分達が地球が、宇宙にポッカリ浮かんでいることを否応無く認識させられたのだ。
その圧倒的な光景に声を奪われ、2人共ただただ無言で見上げるのみやった。